公益財団法人長岡市米百俵財団

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米百俵賞KOME 100 AWARD

【写真】斎藤 惇夫さん(埼玉県さいたま市)

米百俵賞受賞KOME 100 AWARD

第19回米百俵賞受賞(2015年6月15日表彰)
受賞者 斎藤 惇夫さん(埼玉県さいたま市)

斎藤 惇夫氏は、幼少期に祖母から越後の昔話をたっぷりと聞き、母親と小学校の担任の先生からは沢山の物語を読んでもらい、物語・本の楽しさを満喫し、自分でもごく自然に本に親しむようになった。
その後、福音館書店で児童文学の編集者になり、また作家として「グリックの冒険」「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」「哲夫の春休み」など優れた児童文学作品を世に送り出した。
氏は、本離れが進む現代において、子どもがテレビやインターネット、ゲームなど、あふれるほどある大量のメディアに対して無防備となっていることに強い危機感を抱き、幼少期においてはメディアに接する時間を極力減らし、多くの豊かな言葉や絵と触れ合うことが、心を育て、人間として生きて行くために、なによりも大切であると考える。そのためには、自身の経験から、身近なおとなからの、子どもへのすぐれた本の読み聞かせが、少なくとも十歳までは続けられることが大切であると説く。なぜならば、子どもたちが言葉を通して、物語の主人公とともに新たな世界へ旅立つためには、信頼できるおとなの付添い人を必要とするからであり、それがあって初めて、物語を生きた経験にすることが可能になると考えるからである。
氏は、こうした想いを大学の学生、子育て世代や学校、図書館関係者にも広く伝えたいと考え、講演活動を通して、「子どもたちに本を読んでやることの大切さ」、「優れた物語を選ぶことの大切さ」を訴えかけた。氏の講演活動は、およそ40年前から開始。自身の作品が数々の文学賞を受賞することで講演の依頼も増え、最近では、全国各地で年間約6、70回の講演活動を行っている。また、さいたま市で毎月1回開催されている「浦和絵本大学」では、平成15年から講師として講演を行っている。
氏は、子どもたちへの本の読み聞かせが広がることにより、子どもたちが心豊かな人間として成長して、未来の日本を支えていく原動力になることを願い、活動を続けている。
新潟市中央区生まれ。新潟大学附属長岡小・中学校、県立長岡高等学校卒。

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