公益財団法人長岡市米百俵財団

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米百俵賞KOME 100 AWARD

【写真】内藤 眞さん(新潟市)

米百俵賞受賞KOME 100 AWARD

第18回米百俵賞受賞(2014年6月15日表彰)
受賞者 内藤 眞さん(新潟市)

 内藤 眞氏は、ミャンマーの劣悪な医療事情を知ったことをきっかけに、現地の医療環境の改善に向け地道な支援活動を行った。
 現地訪問の際、安定した電気の供給が確保できない暗い病棟に患者があふれ、半世紀前の顕微鏡で病理診断をしている状況を目の当たりにし、また、現地の医師自身の給料を患者の治療費に充てている現状を知り支援を決意。内藤氏の活動に賛同し、100万円の寄附を受けたことを機に平成14年「ミャンマーの医療を支援する会」を設立し、活動を開始した。
 軍によるクーデター後に、同国への日本を含む世界各国からの支援が中断される中で行われた医療支援活動、特に、不足している顕微鏡等の医療器具、結核に対する薬剤、日本の最新の医学書等の物資の提供は、困難を伴うものであったが、現地にとってはかけがえのない活動となった。
 さらに、内藤氏は、平成15年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行を機に、当時ミャンマーになかったインフルエンザ調査のできる体制づくりを画策し、同国保健省と提携し「ミャンマーのインフルエンザ研究拠点」プロジェクトを遂行、研究成果を世界発信できるようにした。内藤氏の働きかけにより、平成17年には保健省と内藤氏が教授を務める新潟大学との間で協力連携協定の締結に至り、継続的な活動の礎を築いた。
 以後、医学生物学ワークショップを両国で開催するなど、ミャンマーでの研究成果や日本の最新研究の発表を通じ、医療技術の向上や両国医師、学生の交流・親睦を深めるなど、場の創設にも尽力した。
 民主化に動き出したミャンマーに未だ残る厳しい医療環境に、内藤氏が作り上げたネットワークや行政と連携した取り組みが、現地の医師の活動を支え、多くの医師、学生の技術・意識向上、ひいては、同国の医療の質の向上につながっている。

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