米百俵賞受賞KOME 100 AWARD
第22回米百俵賞受賞(2018年6月16日表彰)
受賞団体 にじのはしファンド(沖縄県那覇市)
児童養護施設を卒園した子どもたちの進学は、経済的な困難から非常に厳しい現実がある。にじのはしファンドは、代表の糸数氏が、その厳しい現実を知り、子どもたちが将来に夢を持ち、それを実現できるように、サポーター1人1人の会費をもって支援を行うことを目的として、平成23年1月に発足した。
沖縄県内の児童養護施設、里親家庭、ファミリーホーム出身者で、大学や専門学校への進学を望む子どもに対して、生活を支援する給付型の奨学金制度や、運転免許などの資格取得資金助成を行い、子どもたちの夢の実現や生活の基盤づくりにつなげている。
支援の仕組みは、昭和34年に那覇市首里地区で行われていた「毎月豆腐一丁分」の寄附を募り高校生に学資援助する試みを参考にし、毎月1口千円の寄附を募り、サポーターからの寄附を原資に子どもたちに対して支援を行っている。
知人等への声掛けから始まった毎月1口千円を寄せるサポーターは、沖縄県内だけではなく、県外からの参加もあり、発足から7年で500名を超えている。夢を持ってその実現に向けて頑張る子どもたちに、柔軟で迅速なサポートを届けることを大事にしている。
サポートをしていた子どもたちから、学業を終えて、社会へ出たときに、話せる人、話せる場がなく、一人で悩みを抱え込んでしまうという声があり、社会へ出た後のサポートも重要と考え、奨学金や資格取得資金助成支援に加え、新たに、児童養護施設等卒園者同士の交流会や、入園者と卒園者との交流会も実施している。実家のように頼れる場所と人、同じ悩みを分かち合える仲間とのつながりを持ち、不安や悩み等を共有する場を提供するなど、今後の活動の広がりが期待される。