米百俵未来塾

150年の時を超えて現代版「国漢学校」

開催の様子

第4回講座「デザイン思考ワークショップ」

〔講師:長岡造形大学大学院 板垣 順平 准教授、同大学学生のみなさん〕

 

第4回講座は、『デザイン思考』を体験する講座を開催しました。
この講座の中では、レゴブロックや画用紙などを使って「未来の長岡のまち」の制作を行いましたが、『デザイン思考』のプロセスに基づいて“視点や発想の転換”を途中で行い、住む人のニーズに応えられるように、まちの人にインタビューをし、各グループで話し合って工夫しながら進めました。

 

●デザイン思考とは
はじめに、講師である長岡造形大学の板垣先生から、『デザイン思考』とはどういった考え方なのか、についての説明がありました。
『デザイン思考』とは、【①きょうかんする】→【②かだいを発見する】→【③アイディアをいっぱい出す】→【④アイディアをカタチにする】→【⑤アイディアを確かめてみる】という五つのプロセスを通じて、相手の人の立場になって、困りごとなどを解決する考え方です。
デザイン思考において特に大切なことについて、板垣先生からアドバイスがありました。
「自分で考えたことを発表するだけではなくて、自分以外の人はどう考えているのかを知ったうえで、改めて自分はどう考えるのか、何が必要なのかを考えるということが大切です。」
「困りごとなどには理由や原因があって、それを相手と話して聞いてみることが大切です。それによって、【かだいを発見】することにつながります。」

 

●レゴブロック等で「未来の長岡のまち」を制作
まず、グループで話し合って、自分たちの思い描く「未来の長岡のまち」を制作しました。
『新しいお店』、『おいしい飲食店』や楽しく過ごすための『娯楽施設』など、塾生が未来のまちに望む施設が制作されました。また、豊かな『自然』を作り込むなど、各グループの創意工夫が見られました。

●まちの人へのインタビューで、他の人の意見を聞く
次に、各グループごとに、「未来の長岡のまち」についてのインタビューをしました。
ミライエ長岡来館者の方々に、長岡の「良いところ」「良くないところ、ふべんなところ」「どんな未来のまちを望むか」を聞きました。塾生のみなさんは積極的にインタビューをし、各グループともに2~3人の方からお話を伺うことができました。『賑わいのあるまちであってほしい』『各合併地域間の交通の利便性が課題』『大雪の日も移動しやすいまちがよい』など、まちのひとの想いも聞かれ、インタビューでいただいた具体的な回答は、後述の「まちのリニューアル」と「グループ発表」に大いに活かされました。

●インタビューを踏まえて、「未来の長岡のまち」をリニューアル
まちなかインタビューを経て、「未来の長岡のまち」制作において、視点と発想の転換が行われました。
まちなかでインタビューした内容をもとに「足りない施設は何か」「作り替えた方がよい部分はあるか」を各グループで話し合いました。そして、各グループともに、インタビューを踏まえた“困りごとの解決”や“望みの実現”のために、住む人の気持ちになって考えて作り替え、「未来の長岡のまち」を完成させました。

 

●「未来の長岡のまち」発表
各グループによる発表では、インタビューでの『遊び場や賑わいの場を増やしてほしい』との声を受けての「遊園地」、「水族館」や「温泉」の追加や、『雪が多くて過ごしづらい』との声を受けての「雪を吸い取って減らし、浄化して再利用する新しい浄水場」の追加など、まちの人の困りごとを解決するための創意工夫が見られ、発想の柔軟さや鋭さに驚かされました。

また、SDGsの一環として「ソーラーパネル」を複数設置して持続可能な未来を支える施設をつくったグループや、電線を地下に通して「無電柱化」したうえで「地下鉄」や「空港」をつくったグループもありました。

中には、『学校』などの教育機関を制作したグループがありましたが、これらは、『未来のまち』のまた次の未来を生きる子どもたちを育てるものです。まさに国漢学校の考え方として、「米百俵」の精神に通じるものでした。

そのほか、『交通機関が少なくて移動がしづらい』との声を受けて、長岡の偉人の名前を冠した「長岡の歴史と偉人の考え方を学べる駅」をつくり、モノレールのように建物や道路に干渉しないよう空中にレールを通すことで、交通の利便性と歴史の継承を実現する施設をつくるユニークなアイデアを発表したグループもありました。

また、『長岡産の食べ物はとてもおいしい』との声を受けて、大型店舗の建設をするのではなく、長岡産の食べ物が売られている「商店街」をまちの中につくったグループもあり、とても考えさせられる内容となりました。

 

未来のまちのために必要なものは何なのか、塾生のみなさんだけではなく大人から見ても、たくさんのヒントが詰まった講座となりました。

塾生のインタビューに温かく応じていただきましたミライエ長岡来館者のみなさま、互尊文庫図書館スタッフのみなさま、子どもたちの学習にご協力いただきまして誠にありがとうございました。

 

▲デザイン思考のお話

▲アイスブレイクはタワーの高さ競争

▲アイスブレイクはタワーの高さ競争

▲「未来の長岡のまち」について話し合い

▲「未来の長岡のまち」について話し合い

▲まちの人にインタビュー

▲まちの人にインタビュー

▲まちの人にインタビュー

▲まちの人にインタビュー

▲まちの人にインタビュー

▲完成したまちについて発表

▲完成したまちについて発表

▲完成したまちについて発表

▲完成した「未来の長岡のまち」

▲完成した「未来の長岡のまち」

▲完成した「未来の長岡のまち」