米百俵未来塾

150年の時を超えて現代版「国漢学校」

開催の様子

第3回講座「世界にはいくつ言語があるの?世界の言葉を学ぶ意味を考えよう!」

第3回講座「世界にはいくつ言語があるの?世界の言葉を学ぶ意味を考えよう!」

〔講師:留学生のみなさん、国際交流協会のみなさん〕

第3回講座では、外国人と交流するときのあいさつや自己紹介の大切さを学び、留学生と一緒にそれぞれの国の言葉でどんな自己紹介をしたらよいかを考えるワークショップを行いました。

①あいさつ、自己紹介の大切さについて

国際交流協会の岩嶋さんから世界には7千の言語があること、なぜあいさつが重要なのかについて話がありました。あいさつは、世界の人とコミュニケーションするときの最初の入口です。特にあいさつと自己紹介を相手の言葉ですると、名前を覚えてもらったり、興味を持ってもらい、その後の活動につながるという話がありました。

②留学生による文化紹介

マラウイ、ベトナム、タイ、カザフスタン、スリランカの留学生が、食や地理、学校、祭り、貨幣や文字など、母国の文化について動画やクイズを交えながら紹介してくれました。ベトナムの文化紹介では、ダーカウという足で羽を蹴る遊びも体験し、世界の文化の多様性を楽しく学ぶことができました。

③グループワーク「世界の言葉で自己紹介をしてみよう!」

グループごとに留学生の国の人に自己紹介するとしたら、どんなことをアピールするとよいかを考え、留学生の母国語で発表しました。発表では、「長岡は雪が2メートル降ります」、「おいしいお米が食べられます」、「花火が有名です」など、長岡がどんなところか紹介する発表が多く見られました。今まで会ったことのない国の留学生と交流しながら、相手に興味を持ってもらうにはどんな自己紹介がよいか考える機会となりました。

第2回講座  文学座・俳優さんと楽しくトレーニング!伸ばそう“伝える力・感じる力”

第2回講座 文学座・俳優さんと楽しくトレーニング!伸ばそう“伝える力・感じる力”

〔講師:文学座 俳優 植田 真介 さん、日景 温子 さん、石森 咲妃 さん〕

日本を代表する老舗劇団「文学座」所属俳優の植田真介さんから、プロの俳優さんが実際に行っているゲームをとおして、コミュニケーション能力アップを目指したワークショップを実施しました。

○はじめに

たくさんの演劇を多くの俳優やスタッフとつくってきた経験から、「“お互いを知ること”が初めて会った人と仲良くなるコツ。そして、塾生のみなさんが仲良くなれるように、このワークショップでのゲームをとおして、名前や年齢、何が好きなのかなどをお互いに知っていきましょう。」と植田さんよりお話がありました。

○「自己紹介」

全員で円になり、お互いを知るための自己紹介ゲームをしました。「一人が名乗ったら、全員でその名前を元気よく呼ぶ」というルールで、リズムよく、ポーズをつけたりしながら、お互いの名前を覚えました。また、「○○好きな人?」という問いかけに、当てはまる人が中央に集まり「ホールインワン!」とジャンプしながら掛け声を上げる、共通点を探すゲームも行いました。このようなあそびをとおして、お互いの距離を縮めることができました。

○「シアターゲーム」

ジェスチャーで行う“しりとり”や、2人1組で「ありがとう」や「よかったね」といった一言だけで、誰が誰にどういう気持ちでつたえているのかを当てる、という難易度の高いゲームを行いました。自分の頭に思い描くことを伝える難しさを感じつつも、一生懸命伝えようとする様子が見られました。見事な表現に対しての感嘆の声、おもしろい表現への笑みがこぼれる場面もあり大変盛り上がりました。これらのゲームから「楽しいね」という言葉よりも、互いに笑顔を交わす方が、より気持ちが伝わることがわかり、顔の表情や身体の動きでの表現の大切さを学びました。

○「桃太郎」

桃太郎の物語を場面ごとに区切り、印刷したものが配られました。まずは、チームで協力して、ランダムに配られた文章を順番に並べて1つの物語をつくりました。次に、読む順番を決め、実際に声を出し、場面を想像して動きをつけたりしました。チームにごとに違うストーリーが生まれ、表現も創意工夫がされていました。学校も学年も違う仲間で意見を出し合い、協力して、たくさんの素晴らしい作品ができました。

○さいごに

“みんなでひとつのものをつくるために大切なこと”について、ヒントは見つかったでしょうか。お互いのことを知って仲良くなったり、仲間と協力するという時間を過ごすことはできたでしょうか。難しいことにも一人ではなく、みんながいたから取り組むことができたし、答えがないものを考えることができたと思います。自分と違う人がいるからこそ、自分にはないアイデアや楽しいことを分かち合うことができて、面白いと感じることができたのではないでしょうか。
植田さんからのまとめのお話に、塾生のみなさんは大きくうなずいていました。

第1回講座「学ぼう!「米百俵」の精神~長岡の先人から学ぶ未来を切り拓く力~」

第1回講座「学ぼう!「米百俵」の精神~長岡の先人から学ぶ未来を切り拓く力~」

〔講師:米百俵未来塾 羽賀友信 塾長、高橋正則 コーディネーター〕

〔ガイド:阪之上小学校6年生児童のみなさん〕

第1回講座では、「米百俵」の精神をはじめとした長岡の歴史や、広い視野で先を見越して生き抜いてきた長岡の先人たちの考えを学びました。また、阪之上小学校伝統館を訪問し、学んだことをグループで話し合い、さらに学びを深めました。

○講演「米百俵とは」 米百俵未来塾 羽賀 友信 塾長

教育に力を注ぐだけでなく、そこで学んだ新しい考え方によって、経済の発展、法律の改正、医学の普及など総合的なまちづくりを、身分を超えて話し合いながら進めてきた長岡の史実を引き合いにして、「意見や立場の違う人同士が未来を見据えたビジョンに向かって協働し、未来の力に変えていくことも長岡の『米百俵』の精神だ。」と話しがありました。

また、『米百俵』の精神が途上国をはじめ世界で評価され、広がっていることについての紹介がありました。そして、塾生に向けて、「職業に捉われるのではなく、『生き方』こそが大切であること」、「自分で様々な体験をすることで自分に合った『生き方』が見つかること」、「夢や目標は成長とともに変化し、進化すること」、「頑張りたいことが見つかったら、『具体的な目標』を持って取り組んでみてほしいということ」がメッセージとして伝えられました。

○講義「未来の自分、なりたい自分を探そう」 高橋 正則 コーディネーター

講義の中で、塾生が未来塾に参加した理由について発表しました。「米百俵の精神と長岡の歴史について勉強したい」「新しい友達や新しい出会いを楽しみにしている」「この経験を通して、自分の視野を広げたい」「人前で話すことが苦手なので、克服したい」など、自らを高めたり、視野を広げようとするものが多く挙げられました。

高橋コーディネーターからは、「米百俵」の精神について「小林虎三郎個人の思いだけではなく、藩士たちが思いと考えを理解し、共感し、共に成し遂げようという覚悟を持って支えたからこそ誕生した。」と説明がありました。また、岸宇吉が身分を問わず多くの人を集め、復興や商業の在り方を夜を徹して話し合った『ランプ会』についてのお話があり、長岡の「米百俵」を語るうえで大切な舞台であったと伝えられました。

また、未来塾について、「様々な体験をしたり講師の話を聞いて、感動した言葉や出来事、新しく知ったことや感じたことを、『自分の言葉』できちんと整理することを大切にしてほしい」とお話がありました。

○昼食

昼食には、長岡グランドホテル特製の「米百俵弁当」をいただきました。長岡産野菜をふんだんに使い、長岡の偉人が愛したといわれるメニューを味わって、“食”でも米百俵を体験しました。

○阪之上小学校伝統館

国漢学校の流れをくむ阪之上小学校では伝統館を見学し、展示物の説明や国漢学校の歴史について、同校の6年生からご説明いただきました。

○グループワーク

今日の講座を聞いて感じたことをグループで話し合い、発表しました。

発表では、「もらったお米を食べなかったという虎三郎と藩士たちの『行動』が、長岡の新たな人材育成につながり、未来のためになったのだとわかった。」「海外でも米百俵が語られていたことに驚いた。」「長岡の商工業を発展させるために銀行をつくる時、農家の助力を得たことは、身分を超えた協力であり、周りの人の『共感』を得たことは、まさに『協働』であると感じた。」といった意見がありました。

米百俵未来塾第6期生開校式

米百俵未来塾第6期生開校式

7月26日、小学4年生から中学2年生までの高い志と熱意を持った48名の塾生を迎え、令和5年度に引き続き、米百俵未来塾を開校しました!
開校式では、米百俵財団の水流理事長から塾生に向けてのメッセージがおくられたほか、米百俵未来塾の羽賀塾長からは受講の心構えなど激励のメッセージをいただきました。

また、塾生代表の河上さんからは、米百俵未来塾に参加するきっかけや意気込みが発表されました。

これから12月まで、芸術、スポーツなど全7回にわたる多面的な連続講座を体験します。

▲ 米百俵財団 水流理事長からの激励メッセージ

「長岡の人々は、『米百俵』の精神をとても大切にしており、困難なことや困ったことがあった時は、この『米百俵』の精神を思い出しながら、みんなで力を合わせて、できるだけ遠い将来までその効果が続くような方法を探して、乗り越えてきました。 みなさんにも、“今、この先に向けて『米百俵』の精神をどう活かしていったらよいのか”、それをこの未来塾で考え、学んでいただきたいと思います。

この未来塾の大きな特徴は、毎回グループワークをやるということですが、毎回グループで、『自分の考えを相手に伝える』『相手の考えをじっくり聞く』『お互いの考えを重ね合わせ、すり合わせて対話をしながら、よりよいアイデアを創り出していく』、ということをやります。『みんなで力を合わせて何かに取り組むこと、やり遂げること』は、とても楽しい作業であり、嬉しいことです。みなさんには、大いに楽しんでいただきたいと思います。」

▲ 米百俵未来塾 羽賀塾長からのメッセージ
「みなさんには、新しい体験や未知の体験をする時には、出来ないからこそ、知らないからこそ、『ワクワク』してほしいと思います。長岡の先人は、まちが燃えて『もう、どうしよう』という時にも、希望を持って新しいことに挑戦し、今わたしたちがこうやって幸せに暮らせる長岡のまちをつくってくれました。そして今度は、みなさんが次の世代、さらにその先の世代へと受け継いでいけるような長岡のまちにしていってほしいと願っています。

未来塾で大切にしてほしいことがあります。それは、『自分の言葉で、きちんと自分の考えを話せるようになってほしい』ということです。“まわりの人にどう思われるか”、ということばかりを気にしなくていいのです。“自分が納得できるか”、“どうしゃべったら、同じ内容をしゃべっても相手が納得して受け入れてくれるか”を考えましょう。そうすると、一緒に手を取り合って動いてくれる仲間ができるようになります。しゃべることで、きちんと自分の考え方の整理がついて、表現がうまくなっていきます。最後まで楽しみながら参加して、一緒に勉強していきましょう。」


▲ 塾生代表の河上さんのあいさつ

「私は、将来のことについて、まだイメージが湧いていません。そこで、いろんな力を身につけ、未来の職業を選択する時に役立てたいと思っていますが、新しいことに挑戦する機会が、最近はあまりありませんでした。そんな時、昨年度、未来塾に参加した友人から話しを聞き、様々な体験を通して、他の学校の方と仲良くなれたり、これまでにない世界が広がるかもしれないと思い、応募しました。7回の講座の中で、オリンピアンのポジティブな思考についてお話しを聞くことが、とても楽しみです。また、世界の言語や文化について知り、海外の方々と会話ができるようになるという体験が、学校や塾ではできないことなので、とても興味が湧いています。私はこの機会を必ず良いものとし、自分の力を磨いて、また、新しい力も身につけて、将来に役立てたり、これからの生活に活かせるよう、精一杯取り組んでいきたいと思います。これから半年間、よろしくお願いします。」

米百俵未来塾第5期生修了式

第6回講座終了後、米百俵未来塾の学びをとおしてたくましく成長した塾生の修了式を開催しました。
修了式では、米百俵財団の水流理事長による主催者代表あいさつに続き、米百俵未来塾の羽賀塾長から、塾生への想いが込められた修了証書が授与され、塾生に対し激励のメッセージが贈られました。
塾生代表のことばでは、田村さんが未来塾で心に残った講座や参加する前と後での気持ちの変化、未来塾が指し示す“未来”の意味について発表しました。
第5期生の皆さんが、これからさらにチャレンジを続け、未来を切り拓いていくことを願っています!


▲水流理事長のあいさつ
「講座が進むにつれて、次第に、自信を持って自分の考えを伝える姿や、発表する際の堂々たる姿勢が見られるようになりました。第1回の講座とは全く異なる、成長した姿が見られたことを嬉しく思います。」
「ここで経験した「自分で考える」「自分の言葉で伝える」「相手の考えを聞く」「お互いのアイデアを重ね合わせる」といった協働の取り組みは、学生の間だけではなく、大人になってからもずっと大切なことです。よりよい社会をつくることにもつながっていきます。皆さんが考え、実行したことが、皆さん自身、そして周りの人の人生を豊かにすることにつながったら、素晴らしいことだと思います。」


▲修了証書授与


▲羽賀塾長からの激励メッセージ
「一人ひとりが本当にかけがえのない存在で、皆さんにしかない才能があると思います。好きなことを見つけてください。好きだから努力ができる、努力ができるから得意になる、そういう積み重ねをどんどんしてほしいと思います。」
「そして、今を生きるだけでなく、10年後の自分はどんな人間として社会に立っていたいのか、どんな風に人と付き合っていきたいのか、未来を自らデザインして生きていくことが大事です。これからも、興味が湧いたり心が動いたら、自らの学びに置き換え、とことん自分が納得するまで勉強してみてほしいと思います。」


▲塾生代表のことば
「第1回講座では、知り合いも少なく、不安と緊張でいっぱいでした。ですが、講座で学んでいくうちに『もっと知りたい』という気持ちが高まっていきました。羽賀塾長の『勉強は自らが参加するものであり、与えられたものではない』という言葉が、特に心に残っています。自ら意欲的に学び、自ら考える姿勢をとることが、本当の勉強だという事がわかりました。」
「将来AIが49%の仕事を担うと言われているなか、これまで以上に、自ら考え感じていくことが大事です。それを学ぶ事が、この「未来塾」の意味だと気づきました。先生方、未来塾に関わって下さった皆さま、塾生のみなさん、一緒に学べてとても楽しかったです。ありがとうございました。」


▲集合写真