米百俵未来塾

150年の時を超えて現代版「国漢学校」

開催の様子

第6回講座「デザイン思考ワークショップ」

第6回講座は、NaDeC BASEにおいて、『デザイン思考』を体験する講座を開催しました!
この講座の中では、レゴブロックや画用紙などを使って「未来の長岡のまち」の制作を行いましたが、『デザイン思考』のプロセスに基づいて“視点や発想の転換”を途中で行い、住む人のニーズに応えられるように、各グループで話し合って工夫しながら進めました。

●デザイン思考とは
はじめに、講師である長岡造形大学の板垣先生から、『デザイン思考』とはどういった考え方なのか、についての説明がありました。
『デザイン思考』とは、【①共感】→【②課題発見】→【③アイデア出し】→【④つくる】→【⑤確かめる・工夫】という五つのプロセスを通じて、人の困りごとなどを解決する考え方です。
特に大切なことについて、板垣先生からアドバイスがありました。
「【自分以外の人の考え方は様々にあって、それを聞いて理解すること】【困りごとなどには理由や原因があって、それを聞いて理解すること】が大切であって、それによって、また自分のアイデアも広がります。今日の講座の中で、実際に手を動かしてモノをつくりながら体験してみましょう。」

●レゴブロック等で「未来の長岡のまち」を制作
まず、グループで話し合って、自分たちの思い描く「未来の長岡のまち」を制作しました。
生活に欠かせない『お店』『銀行』や、輸出入を含めた物流拠点としての『空港』、安心・安全のための『警察署』『自衛隊基地』、インフラとしての『風力発電所』、楽しく過ごすための『娯楽施設』など、塾生が未来のまちに望む施設が制作されました。また、自然と都会の調和を作り込んだり、生活しやすいように1か所に必要なものをまとめる考え方(コンパクトシティ)を念頭に置いたり、『未来の自動車』を制作するなど、各グループの創意工夫が見られました。

●まちなかインタビューで、他の人の意見を聞く
次に、各グループで外に出て、「未来の長岡のまち」についてのインタビューをしました。
長岡の「良いところ」「良くないところ、ふべんなところ」「どんな未来のまちを望むか」を
聞きました。塾生のみなさんは積極的にインタビューをし、各グループともに4~5人の方からお話を伺うことができました。『みんなが活気・元気があるまちであってほしい』との、まちのひとの想いも聞かれ、インタビューでいただいた具体的な回答は、後述の「まちのリニューアル」と「グループ発表」に大いに活かされました。

 

●インタビューを踏まえて、「未来の長岡のまち」をリニューアル
まちなかインタビューを経て、「未来の長岡のまち」制作において、視点と発想の転換が行われます。
まちなかでインタビューした内容をもとに「足りない施設は何か」「作り替えた方がよい部分はあるか」を各グループで話し合いました。そして、各グループともに、インタビューを踏まえた“困りごとの解決”や“望みの実現”のために、住む人の気持ちになって考えて作り替え、「未来の長岡のまち」を完成させました。

●「未来の長岡のまち」発表
インタビューでの『子どもの遊び場を増やしてほしい』との声を受けての「アトラクション施設」の追加や、『雪が多くて歩きづらい』との声を受けての「北海道を参考にしたロードヒーティング」「消雪剤の散布設備」の追加、『交流の場が少ない』との声を受けての「交流センター」追加など、まちのリニューアルが行われたことが、各グループから発表されました。
また、『まちなかでの広告が少ない』との声から「視覚的に広報効果のある表示」を追加したグループや、『車が多くて通行がこわい』との声から「信号と歩道橋」を追加したグループなど、人の困りごとを解決できるような創意工夫が見られました。
そのほか、『お店が遠くて買い物が大変』との声から「移動商業店舗」といった昨今注目されている取組みを追加したグループも見られ、発想の柔軟さや鋭さに驚かされました。

未来のまちのために、必要なモノが何なのか、塾生のみなさんだけではなく大人から見ても、たくさんのヒントが詰まっていたと思います。

中には『学校』『子育て支援施設』といった教育機関を制作したグループがありましたが、これらは、『未来のまち』のまた次の未来を生きる子どもたちを育てるものです。まさに国漢学校の考え方として、「米百俵」の精神につながるものでした。

そのほか、当初はレゴブロックで防衛施設や武器を制作していたものの、その素材を花火の設備に作り替えていたグループがありました。この考え方は、次々回の講座「長岡花火に込められた想い」につながるものです。

●結びに
この講座で行った、話し合い(①共感・②課題発見・③アイデア出し)、制作(④つくる)、インタビュー(⑤確かめる)、追加・修正(⑤工夫)は、『デザイン思考』の一連のプロセスであり、それを塾生のみなさんは体験しました。人の気持ちになって何かを作ったという経験は、これから必ず役に立つ時がくると思います。


▲デザイン思考のお話


▲アイスブレイクはタワーの高さ競争

▲アイスブレイクはタワーの高さ競争

▲「未来の長岡のまち」を制作

▲「未来の長岡のまち」を制作


▲まちなかで市民にインタビュー

▲インタビューの内容を反映


▲完成したまちについて発表

▲完成したまちについて発表


▲完成した「未来の長岡のまち」

▲完成した「未来の長岡のまち」


▲完成した「未来の長岡のまち」

▲完成した「未来の長岡のまち」


▲完成した「未来の長岡のまち」